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硫黄島からの手紙(硫磺岛的来信)
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1944年6月、戦局が悪化の一途を辿っていた太平洋戦争下の硫黄島に、新たに...
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- 1944年6月、戦局が悪化の一途を辿っていた太平洋戦争下の硫黄島に、新たに硫黄島守備隊指揮官に任命された陸軍中将、栗林忠道(渡辺謙)が降り立つ。駐在武官としてアメリカに滞在した経験を持つ彼は、誰よりも米軍の強大な実力を知り尽くしていた。
勝ち目の無い戦いと知りつつ、日本本土防衛のため、1日でも長く硫黄島を守る事に意味があると考えた栗林は、反発する陸海軍の古参の側近や将校・士官達を押し切り、防衛計画を練り直す。今までの上官とはまったく異なる合理的な思想を持ち、隷下の将兵に無意味な万歳突撃や自決を禁じた栗林の存在は、日々の生活に絶望していた西郷一等兵(二宮和也)らに一筋の希望を抱かせる。
栗林は硫黄島地下に坑道を巡らせて要塞化し、これをアメリカ軍を迎え撃つ秘策とした。そして、三十六日にも及ぶ死よりも苛酷な持久戦が始まった───。
米軍上陸の当日、栗林はトーチカなどで待機するよう兵に命じ、米軍が浜を埋め尽くしたところで反撃を開始した。激戦の末、浜のトーチカは米軍の火炎放射・手榴弾攻撃で壊滅したが、その他の部隊に影響はなかった。
その後米軍は、硫黄島で最もトーチカが集中している摺鉢山攻略部隊と島の北部の攻略部隊に分かれ、攻撃はますます激化。摺鉢山守備隊で弾送りを命じられていた西郷は、所属の中隊の半分以上の機関銃が吹き飛ばされたため、上官命令で摺鉢山守備隊長の足立陸軍大佐の元へ行くが、追い詰められた足立は栗林が禁じていた玉砕命令を出し、中隊の兵達は次々と手榴弾で自決を図る。残ったのは西郷と、敵対していた憲兵出身の清水上等兵(加瀬亮)だけだった。故郷に残してきた妻子への想いから自決をためらった西郷は清水を伴ってその場から逃げ出し、清水はその温厚で気弱な性格が原因で「問題」を起こし憲兵隊を追放されたことを西郷に打ち明けた。別の中隊と合流した二人は、軍人らしく玉砕を貫こうとする伊藤中尉(中村獅童)に出会い、自決をしなかった咎で処刑されそうになるが、栗林に助けられる。
戦いに辟易し、生きて故郷に帰ることを願う者同士として心を開き合った西郷と清水は、ある時共に脱走を試みる。しかし先に隊を飛び出してアメリカ軍に投降した清水は、見張り番のアメリカ兵に殺されてしまった。アメリカ兵への怒りを募らせ、涙を流す西郷。一方で、兵士達は捕虜として捕えたアメリカ兵が持っていた母親からの手紙によって、憎い敵であるアメリカ兵もまた自分達と同じく愛する家族を持つ人間であったことに気づかされるのだった。
そんな中、状況はますます切迫し、伊藤を中心とした栗林に反発する者たちが勝手な行動を取り始め、栗林の数少ない理解者であった西竹一陸軍中佐(伊原剛志)も命を落とす。進退窮まった栗林は、ついにアメリカ軍に最終攻撃をかけることを決意。作戦に関する書類の処分を命じられた西郷は、その際あるものを地中に埋めた。
ついに最後の激戦の火蓋が切って落とされ、次々に倒れてゆく兵士達。自らも瀕死の重傷を負った栗林は、西郷に自分の亡骸が誰にも見つからないよう埋めて欲しいと言い残し、自決する。
栗林の亡骸を埋めて戻ってきた西郷を、アメリカ兵が取り囲んだ。そのうちの一人が栗林の拳銃を腰に差しているのを目にした西郷は、激しい怒りに突き動かされ、狂ったようにシャベルを振り回し始めた。やがてアメリカ兵に取り押さえられ、担架に乗せられた彼が見たのは、硫黄島の海に沈む赤い夕陽だった。
そして六十余年の歳月が過ぎた硫黄島で、地中から数百通もの手紙が発見された。それは、かつてこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残した、出されることのない手紙だった。
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